Good day ! 2
第十一章 幸せな時間
「えー、皆さん。今日はジャンジャン食べてくださいねー。ワタクシ、野中がドーンとおごらせて頂きます」
「やったー!ありがとうございます、野中キャプテン!」
空港に近いホテルのイタリアンレストランで、野中は皆の顔を笑顔で見渡す。
おごりと聞いて、早速伊沢が嬉しそうにメニューを開いた。
今夜は野中が彩乃を皆に紹介したいとの事で、勤務を終えた恵真と大和、そして伊沢も顔を揃えていた。
まずは皆で乾杯する。
グラスを持つと、伊沢が音頭を取った。
「えー、それでは。野中キャプテンと彩乃さんのご婚約を祝して」
「かんぱーい!」
ひと口飲んでから皆で拍手すると、野中は照れたように彩乃と顔を見合わせた。
「いやー、良かったですね、野中さん!」
伊沢はまるで自分のことのように嬉しそうに言う。
「ああ。色々ありがとな、伊沢」
「あの、私からもお礼を言わせてください。伊沢さん、あの時はお世話になりました。私の為にスタッフの方を探し回ってくださって。本当にありがとうございました」
伊沢は笑いながら、いえいえと彩乃に手を振る。
「野中さんがこんなに素敵な方と婚約されるなんて、もう俺も嬉しくて!大変だったんですよ、野中さん。彩乃さんにメールするのに、中学生みたいにモジモジして」
おい、伊沢!と止める野中を尻目に、まあ、そうなんですか?と彩乃が尋ねる。
「そうなんですよ。人格変わっちゃうし、俺にすがってくるのが不気味で…。ほんとに大変でした」
ふふふ、と彩乃は楽しそうに笑う。
「伊沢ちゃん?あとで覚えておきなさいよ?」
野中が、口元だけはにっこりしたまま伊沢に睨みを利かせる。
「なんて楽しそうなのかしら。パイロットの皆さんって、こんなに仲良しなんですね」
「そうなんです!仲良しなんですよ、ね?野中さん」
「伊沢ちゃん?コノヤロー」
またもや野中が、にこにこしながら伊沢に悪態をつく。
あはは!と彩乃は声を上げて笑った。
食事もそこそこに、彩乃は身を乗り出して質問する。
「恵真さんって、本当にパイロットなんですか?CAさんではなくて?」
「あ、はい。一応、パイロットです」
一応〜?と、野中と伊沢が声を揃える。
「彩乃さん。彼女はね、ゴリゴリのパイロットなんだよ」
「そうなんです。ゴリゴリのバリバリなんですよ」
途端に恵真は、むっとしたように口をとがらせる。
「ちょっと!野中さんも伊沢くんも。私はゴリラじゃありません!」
すると誰よりも大きな声で、あはは!と笑い出したのは大和だった。
「大和さん!!」
恵真は頬を膨らませて睨む。
「ははは!ごめん、恵真。想像したらおかしくて」
「想像?!それってゴリラの私をってこと?」
「うん。可愛くてさ、あはは!」
「もう!大和さん!」
皆もつられて笑い出し、恵真はますますむくれた。
「やったー!ありがとうございます、野中キャプテン!」
空港に近いホテルのイタリアンレストランで、野中は皆の顔を笑顔で見渡す。
おごりと聞いて、早速伊沢が嬉しそうにメニューを開いた。
今夜は野中が彩乃を皆に紹介したいとの事で、勤務を終えた恵真と大和、そして伊沢も顔を揃えていた。
まずは皆で乾杯する。
グラスを持つと、伊沢が音頭を取った。
「えー、それでは。野中キャプテンと彩乃さんのご婚約を祝して」
「かんぱーい!」
ひと口飲んでから皆で拍手すると、野中は照れたように彩乃と顔を見合わせた。
「いやー、良かったですね、野中さん!」
伊沢はまるで自分のことのように嬉しそうに言う。
「ああ。色々ありがとな、伊沢」
「あの、私からもお礼を言わせてください。伊沢さん、あの時はお世話になりました。私の為にスタッフの方を探し回ってくださって。本当にありがとうございました」
伊沢は笑いながら、いえいえと彩乃に手を振る。
「野中さんがこんなに素敵な方と婚約されるなんて、もう俺も嬉しくて!大変だったんですよ、野中さん。彩乃さんにメールするのに、中学生みたいにモジモジして」
おい、伊沢!と止める野中を尻目に、まあ、そうなんですか?と彩乃が尋ねる。
「そうなんですよ。人格変わっちゃうし、俺にすがってくるのが不気味で…。ほんとに大変でした」
ふふふ、と彩乃は楽しそうに笑う。
「伊沢ちゃん?あとで覚えておきなさいよ?」
野中が、口元だけはにっこりしたまま伊沢に睨みを利かせる。
「なんて楽しそうなのかしら。パイロットの皆さんって、こんなに仲良しなんですね」
「そうなんです!仲良しなんですよ、ね?野中さん」
「伊沢ちゃん?コノヤロー」
またもや野中が、にこにこしながら伊沢に悪態をつく。
あはは!と彩乃は声を上げて笑った。
食事もそこそこに、彩乃は身を乗り出して質問する。
「恵真さんって、本当にパイロットなんですか?CAさんではなくて?」
「あ、はい。一応、パイロットです」
一応〜?と、野中と伊沢が声を揃える。
「彩乃さん。彼女はね、ゴリゴリのパイロットなんだよ」
「そうなんです。ゴリゴリのバリバリなんですよ」
途端に恵真は、むっとしたように口をとがらせる。
「ちょっと!野中さんも伊沢くんも。私はゴリラじゃありません!」
すると誰よりも大きな声で、あはは!と笑い出したのは大和だった。
「大和さん!!」
恵真は頬を膨らませて睨む。
「ははは!ごめん、恵真。想像したらおかしくて」
「想像?!それってゴリラの私をってこと?」
「うん。可愛くてさ、あはは!」
「もう!大和さん!」
皆もつられて笑い出し、恵真はますますむくれた。