Good day ! 2
同じ頃、明日の早いShow Upに備えて、恵真は早々にベッドに入っていた。

大和も隣で横になり、恵真を腕枕で抱き寄せる。

「幸せそうだったなあ、野中さんと彩乃さん。お似合いでしたね」
「ああ、そうだな。あんなにデレデレしてる野中さんは初めて見たよ」
「ふふ、本当に。野中さんと彩乃さんも、私達と同じ8歳違いなんですって」
「へえ、そうなんだ。彩乃さん、恵真と気が合いそうだったね。そう言えば野中さんが、恵真がロンドンで選んでくれたプレゼントに、彩乃さんが凄く感激してたって」
「そうなんですね?良かった」

嬉しそうに微笑む恵真の髪を、大和は優しくなでる。

「何を選んだの?そのプレゼント」
「えっとね。オルゴール付きのジュエリーボックス。星空みたいにスワロフスキーがキラキラしてて、オルゴールも私の好きな曲なの。野中さんから彩乃さんのイメージを聞いて、これなら喜んでもらえそうかな?って思って」
「恵真の好きな曲?」
「そう。『ラベンダーズ ブルー』っていう、17世紀からイギリスに伝わるマザーグースのうちの1つなんです。お母さんが子どもに口ずさむ子守唄」
「へえ、歌ってみて?」
「えっ、やだ!恥ずかしいもん」

恵真は顔を赤くして大和から離れようとする。

大和はグッと恵真を抱き寄せてささやいた。

「お願い。ちょっとだけでいいから。ね?」

優しく微笑むと、恵真はぽーっと大和に見とれてから、はにかんでうつむく。

「じゃあ、ちょっとだけね?」
「うん」
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