Good day ! 2
第十二章 ガールズトーク
「久しぶりー!恵真」
「こずえちゃーん!元気だった?」
「うん!元気元気ー」

二人ともオフの日に、恵真は久しぶりにこずえとランチをすることになった。

電話でいつも近況は話しているが、やはりこうやって会って話すのが一番いい。

注文を済ませると、早速二人はおしゃべりに花を咲かせる。

「恵真、相変わらず幸せオーラがハンパないねえ。それに引き換え伊沢ときたら…」
「ん?伊沢くんがどうかしたの?」
「もう、恵真からも言ってやって!あいつ、人のことばっかりなんだから。乗客の女性に一目惚れしたキャプテンの相談に乗ったり、恵真に言い寄るキャプテンに悩んだり…。で、上手く事が治まったら、まるで自分のことみたいに喜んじゃって。なんなの?一体」

こ、こずえちゃん?と、恵真は苦笑いする。

「えっと、どうしてそんなにご立腹なの?」
「だってそうでしょ?私はね、あいつを励ましてきたの。それなのに、いっこうに自分から幸せになろうとしなくて。あんな男いる?なんかさ、子犬みたいなのよ。お目々キラキラさせて喜んだり、落ち込んで涙目で擦り寄ってきたり。でさ、冷たくあしらうと、悲しそうに背中丸めてちっちゃくなっちゃうような。もう!私、捨てられた子犬は放っておけない性格なのよ?どうしてくれんのよ!」

恵真は苦笑いを浮かべたまま、首をかしげる。

詳しい事は分からないが、どうやらこずえと伊沢の間には色々あるらしかった。

「こずえちゃんがそこまで熱くなるなんて。伊沢くんのこと、そんなに気になるの?」
「は?気になる?!」

恵真の言葉にこずえは目を見開く。

「気になるも何も、あいつがいちいち電話してくるの!で、何度言っても私の言葉を理解しないのよね。もう、ほんとに頭にくるー!」

グビッとグラスの水を飲むこずえを、恵真は不思議な気持ちで見つめる。
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