吸って愛して、骨の髄まで

艶やかな黒髪と白い肌を持ち合わせ、小さく整った顔の母。



高身長でスタイルが良く、つり目が特徴の同じく綺麗な顔立ちの父。



美男美女を絵に描いたような二人の容姿を、そのままそっくり受け継いだ。



私はあんな二人のようには絶対にならない…なりたくない。



でも、そう思っている以上に二人の血は濃くて、それは間違いなく私の中にも流れている。



今はまだ大丈夫と思っていても、いつか二人のような人間になってしまうのかもしれない…って。



そう思うだけで、震えが止まらない。



私を必要としてくれる人たちがいるのは知っているし、私もそれに応えたいと心から思っているけれど。



私がいくら頑張ったって、この血だけはどうしても無くならない…この身体の中から消えてはくれないでしょう…?



それならもういっそのこと…なんて。





「…本気で、そう思っていたの」



「薫子…」



全て話し終えた頃には、私たちの周りだけ重たい空気に包まれていた。



全部話しちゃうなんて…私って馬鹿なのかしら。



あんな渋っていたのに、結局それも水の泡。
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