吸って愛して、骨の髄まで

どう足掻いても


「あ、薫子おはよ…って、何そのクマ。随分と酷い顔してるけど」



「…おはよう翼。ちょっと色々あったのよ」



「ふーん…色々、ね」



いつも通りに登校して教室に向かうと、親友が訝しげな表情でこちらを覗いてきた。



…さすが翼、鋭いわね。



彼女の名前は朝生翼(あそうつばさ)



我が親友ながら洞察力に長けていて、何事にも動じない冷静さを持つ。



良くも悪くも達観している人…といった感じかしら。



あまり人付き合いが好きな方ではなく、私以外と話しているところを見ることは滅多にない。



中学からの付き合いということもあり、彼女は感情が表に出にくいだけというのは勿論わかりきっているため、特に何も思わないけれど。



何を考えているのかわからない、怖そう、付き合いにくい…そう言われることもしばしばある。



私的にはもう少し笑ったりした方が誤解も晴れるし…何より可愛いと思うのだけれど。




「…なに?私の顔も、なんか変なとこある?」
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