吸って愛して、骨の髄まで

…少し悲観しすぎかしら。



女子高生とは思えないほどに現実的思考をしてしまう自分に嫌気がさして、自然とため息がこぼれる。



「はぁ…」



「幸せ逃げちゃうよ?」



「そんなのとっくに逃げて…」



……え??



「なっ…り、理央…!?」



「あははっ、おはよう薫子。驚いた顔もかわいーね?」



上から声が降ってきて顔を上げると、そこにはニッコリ微笑む理央がいた。



「な…んでここに理央が…!?」



浮かんだ疑問がそのまま飛び出し、クラスメイトたちは理央の存在にザワつく。



理央一人だけが平然とそこに佇んでいた。



「なんで…って、もしかして知らなかったの?」



「知らなかった…?それってどういう…」



さっきから理央の言っていることの意味が全くわからなくて戸惑いを隠せない。



それは私だけではなくて、クラスメイトたちも皆同じなのだろう。



私たちへの視線がこれでもかというくらい突き刺さる。



そんな時、教室の前の扉がガラッと開いた。
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