吸って愛して、骨の髄まで

「……」



「ほら、あの駅前に新しく出来たっていうカフェあるでしょ?行ってみたいんだよね〜」



先生が言っていた通り自習となったため、黙々と自習をする生徒や机に突っ伏して寝始める生徒がいる中、理央はベラベラ喋りまくっていた。



さっきの猫はどこに行ったのよ!?



普通に勉強をしたい私にとって、今この状況は地獄。



理央がひっきりなしに話しかけるせいで、捗るものも捗らないのだから。



しかも、周りの席の生徒たちが寝ているから油断しているのか、爽やかイケメンオーラも消え去っている。



…何よ、一人で好き勝手話しちゃって。



周りの目も気にせず喋る理央を横目に、私は不満を募らせていた。



その原因は他でもない理央にある。



どうして?だなんて、聞く方が野暮だわ。



さっき先生が言っていた自宅療養中だとか、理央本人の貧血気味という発言。



今は被っていない猫をクラスメイトの前で被る理由も、何もかもわからないことだらけで話したいことは山ほどあるというのに…。
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