吸って愛して、骨の髄まで
なんとか平然を装い、話し出す雰囲気の理央をじっと見つめた。
「薫子が知りたいのなら、なんでも話してあげる。でも…一つだけ、お願いがあるんだ」
理央の瞳がゆらりと揺れて、僅かに曇る。
でも、その瞳に宿る光が私を照らしてくれてることは確かで。
「…お願い?」
「何を知っても、僕から離れていかないで」
どんなことを言われたとしても守りたいと、心から思った。
昨日はこの世から消え去ろうとしていた私が、誰かを恋しく想っているのだとしたら…。
「だから放課後は、ちゃーんと空けといてね?一緒に放課後デートしよ」
きっと、どう足掻いたって貴方の傍を一生離れられなくなる気がする。
…そんな予感がするって言ったら、笑われてしまうかしら。