吸って愛して、骨の髄まで
対照的な二人
──キーンコーンカーンコーン
「そんじゃ、今日の授業はここまでだ。来週小テストするから覚えとけよー」
「「はーい」」
無事に六限目の授業を終え、クラスメイトたちの素直な返事が聞こえた後、皆はバラバラと帰りの支度をし始めた。
本来であれば、これから私は普通に真っ直ぐ帰るところ。
でも、今日はいつもと違う。
「それじゃあ美崎さん、そろそろ行こうか」
無駄にキラキラしている理央がいるからだ。
「…それ、続ける必要ある?」
「うん?なんのことかな?」
「……」
今朝、私は理央にときめいてしまった。
これは紛れもない事実であり、なんなら今も変わらない。
猫を被ってるキラキラした理央も、あの時の理央と同じくらいカッコイイだなんて思ってしまっている。
〜っもうやだ!何よこのトキメキは!?
なんでこの嘘っぽい笑顔にすらドキドキしちゃってるわけ…!?
それがとてつもなく悔しい。
それはもちろん、真剣な表情の理央の方が何百倍も素敵だと思う。