吸って愛して、骨の髄まで
「ねー、どうせだからそのカップル限定パフェってやつ食べてみない?けっこー美味しそうだし」
理央が指さしたのは、色とりどりのフルーツや可愛いクッキーが乗っている女子が好きそうなパフェ。
戸惑うことなく“カップル”と言える理央には、意識の“い”の字も見当たらない。
「…たしかに美味しそうね。綺麗だし…」
その事に少しムッとしつつ、パフェは普通に美味しそうだったため素直な感想がこぼれた。
「んじゃ、決まりね。店員さーん、注文お願いしまーす」
そうして理央がパフェとカフェラテ、私がブラックコーヒーを頼んだ。
「ブラックコーヒー…」
珍妙な面持ちで呟く理央が不思議で首を傾げる。
「…?理央もコーヒーが良かったの?」
「いや…だって、普通は逆じゃない?」
「逆…って?」
何が逆なのかしら??
なおさら意味がわからない回答をされて、こちらも反応に困ってしまう。
すると、理央は言いにくそうに口を開いた。
「…男がカフェラテ好きなの、なんか…カッコ悪いじゃん」