吸って愛して、骨の髄まで
温かさに触れて
「……今日も寝不足だなんて、参っちゃうわ」
次の日の朝、目を覚ますとまぶたが重くて気分が下がった。
ただでさえ昨日もよく寝れなかったというのに、こうも立て続けに寝不足だと体調が不安になってくる。
「…なんて、そんなこと言ってられないわよね。早く支度してさっさと学校に行きましょう」
なんとなく重たい身体を叩き起こし、着替えてからリビングへと向かう。
コーヒーとトーストが醸し出すいつもの匂いが漂ってきて、少し気分が晴れた気がした。
「おはようお母さん」
「おはよう薫ちゃん。今日も早いわねぇ」
私とお父さんの分のお弁当を作ってくれているお母さんに声をかけると、瞬間笑いかけてくれる。
私の顔を見て笑顔になってくれるような…そんな理想のお母さん。
「ご飯用意できてるから、顔洗ってらっしゃい」
「うん、ありがとう」
お母さんに言われて洗面所に行くと、お父さんがちょうど出てきたところだった。
「お、薫子おはよう」
「おはようお父さん。使っても大丈夫?」
「あぁ、今終わったところだからな」