吸って愛して、骨の髄まで

心配してくれてるけど…かなり怒ってるわね、これは。



自分のことながら、聞いていて耳が痛くなってくる。



「薫子は一人で溜め込みやすいくせして、誰にも話そうとしないっていうのも…ちゃんと、分かってるけどさ。でも…心配くらいはさせてよ」



耳が痛い…けれど、それ以上に温かい。



「親友でしょ?私たち」



ニカッと歯を見せて笑う翼の笑顔が、心に染み渡る。



…本当に、良い親友をもったわ。



「っ…えぇ。もちろんよ…っ!」



だから、私もそれと同じくらいの笑顔で返した。



今朝お父さんとお母さんにも見せたように。



「やっぱり、翼には敵わないわね?」



「ふん、とーぜんでしょ。何年親友やってると思ってんの?」



「ふふふっ。ありがとう、翼」



こんな私のことを思ってくれてありがとう、って伝えたいの。



「私がしたくてやってるだけだから、お礼なんていいんだけど…」



「別にいいじゃない。大事よ?感謝の気持ちは伝えられる時に伝えておかないと」



「ふっ…そういうものなの?」



「そういうものよ」
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