吸って愛して、骨の髄まで
そう言ってから二人で顔を見合わせて、同時に吹き出した。
昨日から重りのようにのしかかっていた重たい気持ちも、軽くなった気がする。
こんなに笑い合ったのは久しぶりで、お互いしばらく話すことが出来なかった。
「はぁーお腹痛い…一生分笑った気がする…」
「私もよ…」
…話すなら今しかない、わね。
どちらもようやく落ち着いてきた頃、意を決して話を切り出すことにした。
「…それじゃあ、早速だけど聞いてくれるかしら?長話になるかもしれないけど…」
相談し慣れていない私の声は、僅かに震えている。
それでも、翼はさっきと変わらないあの笑顔で頷いてくれた。
「愚痴でも重い話でも、なんだって聞くから。薫子の気が済むまで話しなよ」
「えぇ、ありがとう」
もう一度お礼を言ったら、翼は「んじゃ」とどこかへ歩き出した。
「屋上行こ。ここじゃ話しにくいにも程がある」
「えっ、それだとSHRに間に合わないんじゃ…?」