吸って愛して、骨の髄まで

思わず頷きそうになってしまいそうになるほど、彼が眩しく映って仕方がない。



…でも、やっぱりまだ確証が持てないの。



私と彼は赤の他人。



なのに、なんで…。



「…なんで、私を救おうとするの?」



ポロリとこぼれた小さな呟き。



小さすぎて、もしかしたら届いていないかもしれない。



…臆病者ね、私は。



思えば私は、いつもそうだった気がする。



手を伸ばせば助けてくれる人がいるのに「巻き込みたくないから」、「心配させたくないから」…そう言い訳して口を固く結んでしまう。



でもそれは、結局自分の都合でしか無かった。



私が“私自身”の救済を許さなかったから。



今日、この世からいなくなるつもりだった。



そうなるまでの経緯を、理由を…見ず知らずの人に話すのはかなり抵抗がある。



大事な人達にだってまだ話したこともない。



…きっと話したところで、助ける価値のない人間だと思われて終わり。



そんなふうに思っていたし、今でもそれは変わらない。
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