吸って愛して、骨の髄まで
*
帰り際「明日だけは一緒にいて」とあの表情で言われてしまったため、仕方なく了承した。
正直、長く続いたこの関係に終止符を打つ事が出来てほっとしている。
帰路に着く僕の口から、小さなため息がこぼれたのがその証拠。
薄情かな?でも…これは紛れもない本音。
だって、玲央奈は僕に依存していたから。
玲央奈が僕を、異性として「好き」だと言ってきたことは今までで一度もない。
甘えた声で触れてきたりなんてことはよくあったけど、本当にそれだけ。
僕に告白してくる子たちとは、視線も言葉も何もかもが違うんだ。
そして…そういう風にしてしまった原因は、他の誰でもない僕にある。
日が沈み、夕日が傾くのを見届けながらふと昔のことを思い返した。
『…みんなね、玲央奈のこと嫌いなんだって』
俯き気味で、背中を丸めながら。
『理央兄も…玲央奈のこと、嫌い…っ?』
小学一年生の小さな身体を震わせて、目に涙をいっぱい溜めたまま聞いてきた。
一つ年上である僕の庇護欲が、初めて湧いた瞬間だったと思う。
帰り際「明日だけは一緒にいて」とあの表情で言われてしまったため、仕方なく了承した。
正直、長く続いたこの関係に終止符を打つ事が出来てほっとしている。
帰路に着く僕の口から、小さなため息がこぼれたのがその証拠。
薄情かな?でも…これは紛れもない本音。
だって、玲央奈は僕に依存していたから。
玲央奈が僕を、異性として「好き」だと言ってきたことは今までで一度もない。
甘えた声で触れてきたりなんてことはよくあったけど、本当にそれだけ。
僕に告白してくる子たちとは、視線も言葉も何もかもが違うんだ。
そして…そういう風にしてしまった原因は、他の誰でもない僕にある。
日が沈み、夕日が傾くのを見届けながらふと昔のことを思い返した。
『…みんなね、玲央奈のこと嫌いなんだって』
俯き気味で、背中を丸めながら。
『理央兄も…玲央奈のこと、嫌い…っ?』
小学一年生の小さな身体を震わせて、目に涙をいっぱい溜めたまま聞いてきた。
一つ年上である僕の庇護欲が、初めて湧いた瞬間だったと思う。