吸って愛して、骨の髄まで
幼稚園の時、自分が吸血鬼であることを明かしてから周りの態度が変わった。
化け物を見るような目が幼い僕を突き刺さして、いないものとして扱われる日々。
幼稚園生にして人間関係が嫌になった。
それは小学校に入っても特に変わらなくて。
あまり人と関わらないように、自分が傷つかないように…必死に心を守っていた。
それから一年が経って二年生になった頃、玲央奈と出会った。
僕の両親は吸血鬼ではなかったけど、祖父がそうだったたから隔世遺伝というやつだろう。
叔父の子供…従姉妹の玲央奈も同じだった。
友達に自分の正体がバレてしまったことから、虐められるようになったらしい。
僕と玲央奈は吸血鬼であり、境遇もほとんど一緒。
『ううん、僕は玲央奈の事が好き。だって、僕も玲央奈と同じだもん』
僕が自分の境遇を話して、彼女の味方であることを伝えたら…それはもう、すぐに懐いてきて。
『ほんとっ?えへへっ、嬉しい!』
年相応な可愛らしい少女の笑顔が、僕を照らした。
でもそれは、やっぱり保護対象でしかなかった。