吸って愛して、骨の髄まで

この子を守ろう、という僕なりの決意。



僕の家とは一駅分の距離くらいしか離れていなかったため、玲央奈は度々僕に会いに来るようになった。



玲央奈は自分を変えると言い出して、見た目はもちろん、中身も徐々に変わっていったような気がする。



あれは…玲央奈が中学に上がってすぐのことだったかな。



『理央っ、見て見て!玲央奈のとこの制服めっちゃ可愛くない!?ってゆーか、似合いすぎて自分でびっくりしたんだけど!』



今とほとんど変わらない、彼女が追い求めていた「理想の女子」。



背筋はピンと伸びていて、胸を張って歩くその姿は自信に満ち溢れている。



髪もメイクも服装も、何もかもが完璧で。



『…おめでとう玲央奈。よく似合ってるよ』



あぁ、この子はもう僕の手なんて握る必要もなくなったのだと感じた。



でも、寂しさよりも嬉しさが上回ったから、普通に喜ばしいことだと思っていたんだけど。



『でしょー?これで理央が、玲央奈といて恥ずかしい思いすることも無くなるの。超頑張っちゃった』



『…え?』



頭が真っ白になった。
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