吸って愛して、骨の髄まで
玲央奈が変わったのは、全て自分のためだと思っていた。
もういじめられないように、もっと可愛い自分になるために。
でも…蓋を開けたらどうだろう。
自分のためではなく、あくまで“僕のため”だと言っているように聞こえた。
しかも、僕は玲央奈を元々妹のように可愛がっていたつもりだし、迷惑なんてかけられた覚えはさらさらない。
『中学は別々だったけど、高校は一緒になれるよねっ?勉強も頑張るから、理央に教えて欲しいなぁ』
彼女が離れていくとか、もうそういうレベルの話じゃなくて。
僕から“離れられなくなっていく”の、間違いだった。
それからというもの、行動範囲が増えた玲央奈はほぼ毎日僕の家に来ていた気がする。
宣言通り猛勉強をする玲央奈に教えしたり、ゲームをしたり。
そんなふうに過ごしていたら、いつの間にか僕が高校に上がっていて、玲央奈が同じところに受験を決めた。
こんな生活がいつまで続くのだろうか。
玲央奈の依存を止めないといけないのに、中々できない日々。