吸って愛して、骨の髄まで
骨の髄まで
「「あ…」」
教室に戻る際、あの子と廊下ですれ違ってしまった。
なんて嫌なタイミングなの…。
上履きを一瞥すると、一年生だということが判明した。
それより何より、同じ高校だったという事実に驚きを隠せない。
「「……」」
二人の間に気まずい沈黙が流れる。
さっきは応援してくれていた翼も、薄情なことにそそくさと去っていった。
このままスルーすべき…?
この場をどう切り抜けるか全く見当もつかないでいると、ずっと目を逸らし続けていた彼女が私を真っ直ぐに見てきた。
「…昨日は、ごめんなさい」
「…え?」
…どういう風の吹き回し?
バツが悪そうに謝罪の言葉を告げる彼女は、昨日とまるで別人。
「初対面で、しかも先輩だったのに…玲央奈、あれから大反省した」
上っ面だけの、取り繕われた言葉を並べただけでは無いとわかる。
ふふ、昨日はあんなにことを言っていたけどいい子じゃない。
少し彼女のことを誤解していたのかもしれない…と私も反省していたら、もう調子を取り戻したと見受けられる彼女が衝撃的事実を口にした。