吸って愛して、骨の髄まで
「私、理央のこと好きとかそんなんじゃないから安心してよね」
「へ…え、は…?」
開いた口が塞がらない。
まさに今、そんな顔をしていると思う。
「拗れる前にさっさと告白でも何でもすれば?ま、どーせ結果は目に見えてるけどー」
「な…そ、それってどういう、」
「じゃ、そゆことだから。頑張ってね?センパイ♡」
い、言い逃げなんて卑怯よ…!
最後は彼女お得意の、語尾にハートがつくくらいの可愛さで有無を言わさず去っていってしまった。
…でも、これで悩む必要は何も無いわ。
昨日から抱いていた不安が一つの無くなり、少し安堵する。
あとは理央に想いを伝えるだけ。
意を決して教室に行くと、先に戻った翼が私を見てほっとしていた。
自分の席に目をやると、着いたばかりの理央がこちらにやって来て。
「おはよう、玲央奈」
いつもと変わらない柔らかな表情で話しかけてきたから、私も同じものを返す。
そして、バクバクうるさい心臓を抑えながら言った。
「理央…私、理央に伝えたいことがあるの」