吸って愛して、骨の髄まで
「吸血鬼の契約なんてものは存在ないんだ。…僕が勝手に作り出した、嘘話だよ」
私の頭は思考を停止してしまったのだろう。
「え…、?で、でも理央が吸血して…」
困惑だらけでちっとも働かない。
「…少し長くなるけど、全部話させて。もう、嘘はつきたくないから」
真剣な顔をする理央の話を、とりあえず聞くことにした。
そして、全て聞き終わる頃には…。
「これでわかってくれた…?薫子を知っていた理由も、玲央奈のことも…僕のことも」
「……わ、かった…わ」
「…ごめん、ちょっと一気に話しすぎたかも」
情報過多で脳が処理できず、ヒート寸前だった。
「つまり…理央は私の計画をずっと前から知っていて、玲央奈さんとは従姉妹で…」
「薫子のことしか眼中にないってこと」
「っ…!!」
理央の口から出てきたその言葉はあまりにも唐突すぎて。
ま、まだ心の準備が出来てないのにっ…って、あら?
私、なんて理央に言おうとして…。
言おうとしていたことが一気に吹っ飛んでいき、頭が真っ白になる。