鬼社長の迸る視線に今夜も甘く絆される
*
「最悪っ、さっき組み込んだやつが思ってた以上にメモリ食ってる(システムやプログラムがリソースを占有すること)」
「うっわぁ~っ、こっちは完全に死んでます(サーバやプロセスが停止すること)」
「とりま、そっちはプロセス殺してみて(コントロールが効かなくなったプロセス等をkill(コマンド)すること)」
「何だか、昨日より酷くなってるっぽいな」
「ッ?!!」
「開始三十分でダウン気味とは、君らは会社を潰す気か?」
「っ……、直ちにフィックス(製品やサービスにおける不具合の修正等)しますっ」
午前十時始動で新シリーズの予約販売が開始になり、事前の告知もあって開始直後から注文殺到。
お陰でバッファ(コンピュータが処理しきれないデータを一時的に保持するための記憶領域)が現在ギリギリのラインに達している。
他にも処理中の案件も複数あり、デスクトップ三台を操作している栞那は、精神的に追い詰められていた。
SEの主軸である栞那と山下が対応に追われている。
管理部から報告を受けた伊織は、状況判断のためにシステム部に姿を現したのだ。
「成海」
「すみません、社長っ。お叱りは対処し終えた後に幾らでも伺いますのでっ!山下くん、障害発生の十五分前後のログ抜いて(データの一部分を取り出すこと)」
「了解」
栞那の背後で威圧する伊織を軽くあしらい、栞那は一秒でも早く修正箇所を見極めることに専念する。
栞那の指示で対処する山下を見据え、伊織は溜息を吐く。
「終わったら報告に来い」
「……分かりました」
「最悪っ、さっき組み込んだやつが思ってた以上にメモリ食ってる(システムやプログラムがリソースを占有すること)」
「うっわぁ~っ、こっちは完全に死んでます(サーバやプロセスが停止すること)」
「とりま、そっちはプロセス殺してみて(コントロールが効かなくなったプロセス等をkill(コマンド)すること)」
「何だか、昨日より酷くなってるっぽいな」
「ッ?!!」
「開始三十分でダウン気味とは、君らは会社を潰す気か?」
「っ……、直ちにフィックス(製品やサービスにおける不具合の修正等)しますっ」
午前十時始動で新シリーズの予約販売が開始になり、事前の告知もあって開始直後から注文殺到。
お陰でバッファ(コンピュータが処理しきれないデータを一時的に保持するための記憶領域)が現在ギリギリのラインに達している。
他にも処理中の案件も複数あり、デスクトップ三台を操作している栞那は、精神的に追い詰められていた。
SEの主軸である栞那と山下が対応に追われている。
管理部から報告を受けた伊織は、状況判断のためにシステム部に姿を現したのだ。
「成海」
「すみません、社長っ。お叱りは対処し終えた後に幾らでも伺いますのでっ!山下くん、障害発生の十五分前後のログ抜いて(データの一部分を取り出すこと)」
「了解」
栞那の背後で威圧する伊織を軽くあしらい、栞那は一秒でも早く修正箇所を見極めることに専念する。
栞那の指示で対処する山下を見据え、伊織は溜息を吐く。
「終わったら報告に来い」
「……分かりました」