鬼社長の迸る視線に今夜も甘く絆される
「えっ、ええええぇぇっ、ちょっ……ゃだッ」
手早くチュニックが脱がされ、上半身の防御力が一気に低下。
「そうそう、そうやって胸を隠してて」
彼の視線を阻むように両腕をクロスさせるように胸元を覆い隠すと。
そんなこともいとも簡単に読み解かれ、速攻でカプリパンツが脱がされる。
しまった……。
「凄っ、……栞那、マジでヤバいっ」
彼の視線が注がれている。
けれど、それを見る勇気がない。
恥ずかしくて、心許なくて。
決して貧相な体ではないと思うけど、こういう時にどうしていいのか分からない。
「俺のために選んでくれたの?」
「………ぅだよっ」
白とサーモンピンクで愛らしさがあり、透け感のあるエロティックなデザインと。
紐パンという超破壊的攻撃力を兼ね備えた特殊武装なんだよ。
国分さんに付き合って貰って、一昨日買いに行ったんだから。
ぎゅっと瞑っていて彼の表情は分からないけれど。
おでこにチュッと落とされたキスが優しくて。
それだけで彼の期待に応えれたんだろうなって分かる。
「脱がしたくないな」
「っっ……」
艶気のある声が耳元を襲う。
わざと囁くように言われた。
「……かんちゃん」
「っっっ……狡いっ」
今、『かんちゃん』を使うのは卑怯だよ。
私が断れないって分かってるのに。
ベッドが僅かに動き、カサカサと衣擦れの音が耳に届く。
音が鳴り止み、静かになった、次の瞬間。
「かんちゃん、目開けて」
「っ……」
そっと頬に添えられた手。
優しく撫でるように親指の腹が下唇を撫でる。
「俺を見ろ」
ゆっくりと瞼を押し上げ、目の前にいる上半身裸の彼を見つめる。
「愛してる」