鬼社長の迸る視線に今夜も甘く絆される

優しい声音で囁かれ、幸せを感じると共に、体が熱く火照り出す。
熱情を孕ませた視線に囚われ、背筋がぞくりと震えた。

甘い吐息を纏う唇が重なり、頬に添えられた手が後頭部へと移り、もう片方の手が腰をぎゅっと抱き締める。
完全に逃げ場を失った私の体は、もう抵抗する気力さえ完全に奪われて。

半月ぶりのキスは甘く蕩けて、意識が朦朧とするほど濃厚なものへと変化してゆく。

こんな熱いキスは初めてかもしれない。
初めて彼と肌を重ねた時は緊張の方が勝っていて、最初の方の意識があまりない。
だからなのか。
今のキスが物凄く淫らに感じるほど、彼が与えてくれる全てが体に刻まれている気がする。

唇から額へ。
額から瞼へ。
瞼から鼻頭へ。

次々と触れる箇所が甘く疼く。

肩先から首筋へ。
首筋から鎖骨へ。
鎖骨から胸元へ。

じっくり丁寧に注がれる彼の愛情が、私を満たしてゆく。

煌々と明かりがついている中で、彼の視線がベビードールのランジェリー越しに胸元に注がれている。

「凄く綺麗だ」

初めて彼にランジェリー姿を披露した時よりも熱く迸る視線が注がれる。

優しく撫で伝う指先。
甘い吐息を纏う唇。

会社では冷酷すぎる視線なのに、オフィス外の時の彼はいつだって紳士的で優しくて。
こんな風に二人きりの時は、煽情的で妖艶な視線で私を捕らえる。

足の甲から脛へ。
脛から膝頭へ。
膝頭から太腿へ。
そして、結ばれているショーツの紐部分へと口づけが落とされる。

「嫉妬するな」
「……へ?」
「これ、作ったやつ」
「……っっ」

眉根が僅かに歪み、紐がスッと解かれた。

< 152 / 156 >

この作品をシェア

pagetop