クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
「どうしたんですか・・・私は広大さんだけですよ」
「他の男と仲良くしてただろ?」
「それは仕事で・・・」
乱れた服を直すこともなく、碧は佇み、涙を浮かべていた。
碧に当たっても仕方ないのに。

碧の泣いている姿に、自分が情けなくなった。
「・・・すまない。1人にしてくれないか」
「・・・分かりました」
碧はエプロンを外し、家を出て行った。

急に静かになる家の中。
「何やってんだ俺・・・」
初めて人にさらけ出した、自分の弱さ。
それが出来るのは、碧だけなのに・・・
そんな碧を傷つけてしまった。
携帯の画面に表示されたのは、碧からのメッセージ。
『実家に泊まります』その文だけが届いていた。

日曜日の夜、俺がベッドで横になっていると、鍵の開く音がした。
それは碧が帰って来たことを伝え、ホッとする。
酷いことを言った。謝らないと・・・

しばらくして部屋のドアが開くと、下着姿の碧が入って来た。
そして、そのままベッドに上がって来ると、俺に覆い被さるようにして、潤んだ目で見つめる。

俺の唇を奪った後、服に手をかけ、唇と手を体に這わせた。
「碧、止めろ」
碧はその声を聞かず、どんどん激しくなっていく。
「止めろ!」
俺は、起き上がり、碧の肩を掴んでその行動を止めた。
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