クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
「じゃあ、どうしたら分かってくれるんですか!私があなたしか愛さないことを」
「碧・・・」
「私は・・・私はこんな恥ずかしいこと、広大さんにしか・・・こんなこと出来ません」
こんなことをしてまで・・・俺を想ってくれているのに。
それなのに俺は、いつまでも過去に囚われて・・・

手で顔を覆う碧を抱きしめて、俺の弱さをさらけ出した。
「ずっと俺の傍にいてくれ。俺を1人にしないでくれ」
ずっと心に秘めていた言葉を吐き出した。
「もちろんです。私の心も体も広大さんで染まっています。広大さんがそうしたんですよ」
俺を包み込むように、優しく抱きしめる碧。
「広大さんが嫌だって言っても、離れませんから」
「碧・・・」
「広大さん・・・愛してます」

碧の愛の深さで、俺の過去に囚われた鎖は外れ、心に温かさが流れ込んだ。
「すまなかった。こんな辛い思いさせて」
碧の涙を拭い、口づけをした。
「もう、迷わない。碧が俺の傍から離れないように、俺以外の奴に揺らがないように愛するよ」
碧の体を愛おしみ、永遠の愛を誓うように、最愛を注いだ。
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