クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
家に戻ると、広大さんの顔つきが、少し柔らかくなったような気がする。
ソファに座って、妊娠と出産の本を読んでると、私の膝に頭を乗せた。
「パパになるのは嬉しいけど、碧を1人占め出来ないのは、寂しいよ」
「それは私もですよ」
見つめる広大さんの頭を撫でる。
「広大さん、赤ちゃんが生まれても、私を変わらず愛してくれますか?」
「もちろんさ。もう俺の心と体は、碧に染められているからな」
でも、体の方はしばらくお預けだから・・・
「しばらくその・・・我慢するというか・・・他の人に目がいきませんか?」
私が心配そうな目で見ると、広大さんは真剣な顔で私を見た。
「俺が碧以外を抱けるとでも?」
「いえ、そういう訳では・・・」
「今日1人で待っている時、心配で碧の体の変化を色々調べたよ。その時にスキンシップの方法もね」
「えっ?」

広大さんは体を起こし、私と向き合うように座り直して、
「まだまだ俺を分かってないな」
私の唇を奪い、舌が絡みつく濃厚なキスの嵐が続く。
初めてのキスでは戸惑っていたのに、今は自分からも求めるほどに・・・

「俺を翻弄させるなよ」
優しく微笑みながら、私を見つめる広大さん。
優しくて、時に厳しくて、少しイジワルで、でも甘やかしてくれる。
どんな広大さんも大好きだ。
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