クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
明くる日は、緊張していた現金監査も無事終わった。
「笠間さん、お疲れ様」
「ありがとうございました」
「まだ始まったばかりだからな。頼りにしてるよ」
「はいっ!」
そんな会話だけでも、胸がときめく。そして、数日後、資料が集まり出し、いよいよ締めに取りかかる。
あの北川さんでさえ、黙々と仕事をこなし、空気が緊迫する。
「笠間さん、ちょっといい?」
時東さんの席から声を掛けられ、席の前に立った。
「ここ、赤で丸してるところあるだろ?」
指を差した仕訳帳を見ると、何カ所か丸で囲まれていた。
「部門、コード、科目、それぞれ間違ってる」
「す、すみません。修正します」
「これからは、入力した後、自分で確認する癖をつけろ。修正したら教えて」
「はい、本当にすみません」
「俺は責めているわけじゃない。次に間違わないためと、何故、そうするのかを分かって欲しいんだ。自分で分かるか?」
「間違っているのは分かります。でも、チェックの仕方をどうしたらいいか・・・」
「じゃあ、今から教えるから」
横に並んでパソコンを操作しながら、どうやったら見つけることが出来るか、間違ったらどんな影響を与えるかを教えてくれた。
やっぱり、カッコいい!
「分かったか?」
声を掛けられて、距離が近かった事に気付いて、一気に顔が熱くなった。
「は、はい。ありがとうございます。直ぐに修正します」
今、絶対顔が赤くなっている!
頭を下げてすぐに書類を持って、席に戻った。
あぁ、緊張した・・・
コーヒーを飲もうと給茶室に向かっていた時、武郷さんが前から歩いてきた。
会釈しながらすれ違うと、
「あなた、広大を誘惑しないでね」
低くて冷たい声を掛けた後、そのまま通り過ぎて行った。
「笠間さん、お疲れ様」
「ありがとうございました」
「まだ始まったばかりだからな。頼りにしてるよ」
「はいっ!」
そんな会話だけでも、胸がときめく。そして、数日後、資料が集まり出し、いよいよ締めに取りかかる。
あの北川さんでさえ、黙々と仕事をこなし、空気が緊迫する。
「笠間さん、ちょっといい?」
時東さんの席から声を掛けられ、席の前に立った。
「ここ、赤で丸してるところあるだろ?」
指を差した仕訳帳を見ると、何カ所か丸で囲まれていた。
「部門、コード、科目、それぞれ間違ってる」
「す、すみません。修正します」
「これからは、入力した後、自分で確認する癖をつけろ。修正したら教えて」
「はい、本当にすみません」
「俺は責めているわけじゃない。次に間違わないためと、何故、そうするのかを分かって欲しいんだ。自分で分かるか?」
「間違っているのは分かります。でも、チェックの仕方をどうしたらいいか・・・」
「じゃあ、今から教えるから」
横に並んでパソコンを操作しながら、どうやったら見つけることが出来るか、間違ったらどんな影響を与えるかを教えてくれた。
やっぱり、カッコいい!
「分かったか?」
声を掛けられて、距離が近かった事に気付いて、一気に顔が熱くなった。
「は、はい。ありがとうございます。直ぐに修正します」
今、絶対顔が赤くなっている!
頭を下げてすぐに書類を持って、席に戻った。
あぁ、緊張した・・・
コーヒーを飲もうと給茶室に向かっていた時、武郷さんが前から歩いてきた。
会釈しながらすれ違うと、
「あなた、広大を誘惑しないでね」
低くて冷たい声を掛けた後、そのまま通り過ぎて行った。