クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
「うちに来ませんか?時東さんなら、即戦力、いや、チームリーダーでも通用しますよ」
「そんなことありませんよ」
凄い!税理士の先生に、こんなこと言わせるなんて!
薬の効き目が切れてきたのか、時東さんのカッコ良さなのか、段々体が熱くなってきた。
「では、私達はこれで失礼します」
私達は税理士法人を出て、車に向かった。

あれっ・・・頭がふらふらしてきた。
熱、上がって来たかな・・・
「笠間さん、帰りに食事でも・・・どうした?顔が赤いぞ」
「薬が切れてきたかも・・・」
ふらついた瞬間、時東さんが支えてくれた。
「熱があったのか?どうして言わなかった!」
「どうしても、時東さんと一緒に外出したくて・・・」
「・・・いつでも連れて行くのに。家まで送るよ」
「はい・・・」
時東さんに支えられ車に乗り、寝てはいけない・・・そう思いながらも、瞼は閉じていった。

******
あぁ、ここは前に住んでた家の近くの公園だ・・・
そうだ、こう君、今日は来てるかなぁ。
あっ!こう君!えっ?どうしたの?何言ってるの?
ねぇ、どこに行くの?
行かないで!私を置いて行かないで!
こう君!こう君!
*******
< 19 / 115 >

この作品をシェア

pagetop