クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
【捜し人に愛されて】
12月はあっという間に過ぎ、株主総会が終わった。
後は、月末の処理をすると、仕事納めになる。
いつも大掃除する暇なく、お正月の休みを迎える経理部。
今日は自分達へのご褒美として、北川さんとイタリアンのお店でランチをした。

「北川さん、金曜日って幸せですよね!日曜はイブですけど、予定あるんですか?」
「聞かないで・・・笠間さんは?」
「ケーキを買って、食べるくらいですかね」
「お互い寂しいねぇ。でも、仕事が落ち着いて、ゆっくりしたいのが先だね!」
「その通りです!」
2人は、クリスマスで世の中が騒がしい中、そんな色気の無い話をしていた。

仕事が終わり、駅に向かうとイルミネーションが輝いている。
好きな人とクリスマスを過ごせる日は、いつになるのかなぁ・・・
もし、時東さんと歩けたら・・・それほど嬉しいことはないけど。
そんなことを考えていると、本屋さんが目に入った。
明日はゆっくり、本でも読もうかな・・・

駅に着いて、本屋に寄り、集めている文庫本の新刊を買おうと、財布を探した。
バッグの中でキーケースを触ると・・・
あれっ?キーホルダーが付いてない!

えっ!いつ?
北川さんとお昼ランチに行く時には、触ったような気がする。
でも記憶が曖昧だし・・・
どうしよう・・・取りあえず、会社に戻らないと!

会社に戻ると、経理部は誰も居ない。
机の周り、自分が通った所、忘れ物が置いている場所にも行ったけど、結局無かった。
どこかに蹴られて飛んで行ったかな・・・
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