クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
「目の前に初恋の人が現れたら、どうするんだ?」
突然、こう君の話になって、ドキッとする。
「伝えたいことがあるんです」
「昔とは変わってても?それでも会いたい?」
「もちろんです!こう君はこう君ですから」
こう君の顔を思い浮かべているうちに、駅に着いた。

「時東さん、ありがとうございます。お陰様で、今日ゆっくり休めます」
「今日、俺、車で来てるから、送って行くよ」
「いえ、遅くに悪いですから」
「それとも、俺に送られると、彼氏に怒られるのか?」
「そ、そんな人いませんから!じゃあ、お言葉に甘えてお願いします」
「そう・・・ちょっと、寄り道するけど、大丈夫?」
「はいっ!大丈夫です」
時東さんと少しでも長く一緒にいれるなら、何時間でも大丈夫です!心の声で叫んだ。

車を走らせて30分ほどすると、見たことがある風景が目に入ってきた。
あれ?ここ、昔住んでいた所だ。
懐かしい・・・
どんどん、昔の家の方向に走っている。
こんな住宅街に、何の用だろう。

少し行くと、こう君と遊んだ公園がある。
その横を通ると、遊具は綺麗になっていて、少し様変わりしていた。
そして車は、少しスペースがある道路際に止まった。
えっ?どうして?
私は時東さんの方を見た。
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