クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
2人が出会い、ひとときの夏を過ごした公園を後に、車は走りだした。

こう君に会えた。
それが、私が大好きな時東さんだなんて・・・
夢みたい。

「不思議ですね。同じ職場で再会出来るなんて」
「そうだな」
「大人になっても、ご迷惑お掛けしてますね」
「上司として、部下の教育やフォローは当たり前だから。それは笠間さんに限った話じゃ無い」
「そ、そうですね」
そうだよね。
時東さんは、皆、分け隔て無く接している。
ちょっと、自惚れちゃったかな。
時東さんにとっては、小さい頃の思い出に過ぎない。
そうこうしているうちに、私の家の前に着いた。

「今日は、ありがとうございました」
「また、月曜日に。ゆっくり休めよ」
どうしよう・・・帰りたくない。
こう君は、大好きな時東さんだった。
もっと、一緒に過ごしたい・・・
「さぁ、遅いから。またこの間みたいに、家に着いたら電話しろよ」
時東さんは、私のシートベルトのボタンを押した。

ダメだ・・・もう、気持ちを抑えられない。
気持ちを伝えたら、困らせるのは分かってる。
部下に告白なんてされたら、困るよね。
でも・・・溢れ出てくる感情が抑えられない・・・
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