クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
次の月曜日から、どんな顔して、仕事しようかと思ってたけど、広大さんは今までと変わりなく、クールなままだった。
「笠間さん、ここ間違ってるから修正しといて」
「は、はいっ」
私の机の上に書類を置いて、他の人にも声を掛けていた。
書類には、丸が付けられ『前に注意した箇所だ。どうして間違ったか考えろ』と厳しい一言。
2人の時は、あんなに甘いのに、仕事では変わらない。
それが返って、気持ちの切り替えが出来て助かる。
修正して報告すると、
「慣れてくると、これ何かおかしいな、っていう勘も養われてくるから」
と、静かに微笑む。
ズルいですよ。ズキュンと胸を射貫かれるその笑顔。
平常心を保とうとしてる私の努力が、水の泡じゃないですか。
「ありがとうございます」
これ以上見つめられると・・・私は慌てて席に戻った。
平日は、仕事でお互いに帰る時間もバラバラだから、自分の家に戻り、金曜日の夜に、私が広大さんの家に行くようになった。
平日、私が帰ったら、『家に着きました』とメッセージを送り、広大さんが家に着いたら、電話が掛かってくる。
「今日もお疲れ様。何か困ったことは無いか?」
「はい。大丈夫です。広大さんは疲れてないですか?」
「あぁ、疲れは大丈夫なんだが、困ったことはあるなぁ」
「珍しいですね。どうしたんですか?」
「碧を抱きしめたくなる衝動を抑えるのが・・・葛藤の日々だよ」
「そ、そんな風には見えないですけど」
「これでも必死なんだよ。次の金曜日は覚悟してて」
「は、はい・・・」
そんな毎日を過ごし、私は幸せ過ぎて怖いくらいだった。
「笠間さん、ここ間違ってるから修正しといて」
「は、はいっ」
私の机の上に書類を置いて、他の人にも声を掛けていた。
書類には、丸が付けられ『前に注意した箇所だ。どうして間違ったか考えろ』と厳しい一言。
2人の時は、あんなに甘いのに、仕事では変わらない。
それが返って、気持ちの切り替えが出来て助かる。
修正して報告すると、
「慣れてくると、これ何かおかしいな、っていう勘も養われてくるから」
と、静かに微笑む。
ズルいですよ。ズキュンと胸を射貫かれるその笑顔。
平常心を保とうとしてる私の努力が、水の泡じゃないですか。
「ありがとうございます」
これ以上見つめられると・・・私は慌てて席に戻った。
平日は、仕事でお互いに帰る時間もバラバラだから、自分の家に戻り、金曜日の夜に、私が広大さんの家に行くようになった。
平日、私が帰ったら、『家に着きました』とメッセージを送り、広大さんが家に着いたら、電話が掛かってくる。
「今日もお疲れ様。何か困ったことは無いか?」
「はい。大丈夫です。広大さんは疲れてないですか?」
「あぁ、疲れは大丈夫なんだが、困ったことはあるなぁ」
「珍しいですね。どうしたんですか?」
「碧を抱きしめたくなる衝動を抑えるのが・・・葛藤の日々だよ」
「そ、そんな風には見えないですけど」
「これでも必死なんだよ。次の金曜日は覚悟してて」
「は、はい・・・」
そんな毎日を過ごし、私は幸せ過ぎて怖いくらいだった。