クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
2人は楽しかった遊園地を後にして、帰りに近くのレストランで、食事を済ませた。
「このワイン、美味しそう」
広大さんは、お店で売っていたワインを買って、家に向かった。

「楽しかったか?」
「はい!もう楽しすぎて!念願の観覧車も・・・凄く幸せです」
「それなら良かった。俺、少し仕事するから、ゆっくりしてて」

広大さんはお土産のワインをグラスに入れ、テーブルでパソコンを開いてた。
「このワイン、美味しい。碧も一口飲む?」
「いえ、もうお酒は・・・」
「家で飲むならいいけど?」
「美味しいですか?ワイン、飲んだこと無くて」
「じゃあ、飲んでみるか?何でも経験だ」
「はい」
小さなグラスにワインを入れてくれた。

なんだ。これだけなら酔わない。
私は、グラスに入れてもらったワインを、あっという間に飲んだ。
「あっ、少しずつ飲まないと、後で回るぞ」
「えっ?でも大丈夫ですよ」
「知らないぞ・・・まぁ、少しだから大丈夫だと思うけど・・・」

しばらく、広大さんの横で、本を読んでたけど、何だかふわふわしてきた。
「広大さん。あの・・・早いですけど、先に横になっていいですか」
「あぁ、いいよ」
立ち上がろうとした時、少し足がふらついた。
「だから言ったのに。大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
ふわふわしている。
でも、少しだから、直ぐに酔いは覚めるだろうし。
< 54 / 115 >

この作品をシェア

pagetop