クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
お父さんは、お酒を飲みながら、楽しそうに話をしてる。
「父さん、飲み過ぎだぞ」
広大さんが止めても、
「いいじゃないか。広大は帰ってくるし、碧さんが来てくれているんだよ」
ご機嫌なお父さんは、とうとう酔い潰れてしまった。
「碧、悪いけど、そこの押し入れから布団出して」
広大さんは敷いた布団にお父さんを運び、私達は片付けをした。
「マンションは寝る場所無いし、もう遅いからここに泊まろう」
私達も泊まることになり、広大さんの部屋は物置になってるからと、隣の客室に移動した。

広大さんは2組布団を敷いて、私達も横になった。
枕の上に、手枕をして寝ている広大さん。
「父さんと何の話してたの?」
「マンションを借りたのは、寂しい思いをしたこの家に戻るのが、嫌なんだろうなって」
「確かに、いい思い出は少ないからな。でも、それが理由じゃない」
「えっ?じゃあ、どうして・・・仕事の話も出来るのに」
私が広大さんの方を見ると、肘枕をして、私を見つめた。

「碧は、声を出さずに俺に抱かれる自信、ある?」
えっ?そういう事なの?それは・・・私が想像していると、
「じゃあ、試してみるか」
自分の布団をめくり上げ、私の方に来ようとした。
「む、無理です!」
「そうだよな。今はキスだけでも無理なのに」
ため息混じりで、自分の布団に戻った。
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