クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
「初めまして。後任の大倉です」
「初めまして、私は・・・えっ、もしかして・・・」
「君は・・・広大君!久しぶり」
「大倉さん・・・」
広大さんが動揺している。珍しい。どうしたんだろう。
「同姓同名だなぁって思ってたら、やっぱり広大君なんだ。偶然だね」
反対に大倉さんは懐かしそうにしていた。
「こっちの事は心配しなくていいから。俺が部下達を可愛がるからさ」
「どういう意味ですか?」
広大さんの顔つきと声色が、いつもと違う。

「別に深い意味はないけど・・・それとも何かあるの、どちらかに」
不敵に微笑む大倉さん。
「そんなに牽制しなくても・・・もちろん、スキルを叩き込むよ」

少し緊迫した時間の後、
「お待たせ。何?もう始まってるの?」
部長が入ってきて、一旦その場は収まった。

私と北川さんは部屋を出て、
「何だか訳ありだね」
「そうですね・・・そう言えば・・・」
思い出した!事務所に飾ってた腕を組んでいた桜子さんと広大さんの写真。
桜子さんの隣に立ってたもう1人の職員は、大倉さんだ!
もしかして、恋敵とか・・・
何だか嫌な予感がする。
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