クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
アクシデントとはいえ、抱きしめられた時、平常心を保つので必死だった。
まだ、ドキドキしてる。
これって、浮気?浮気なの?
でも、好きなのは広大さんだし、浮気じゃないよね。
ちょっとしたアクシデントだから。そう、アクシデント。

ようやく迎えるお盆休み。
広大さんと過ごせる!そう思って楽しみにしてたのに、実家に帰ってくるように言われた。
「広大さん。実は、両親と祖父母がいる九州に、行くことになったんです」
「そうか。それは絶対に行かないと」
「せっかく一緒に過ごせると思ったのに、寂しいです」
「俺もだよ。その間は事務所の片付けでもしてるよ」

会えない日が続く。
それからの土日は、広大さんは、他の業界や士業の人達との連携も強めて行くと、忙しくなっていた。
「もう少しだから」
広大さんの疲れ切った声が、『寂しいです』この言葉を遮る。

そして、平日は仕事も遅くなり、電話ではなく、夜遅くにメッセージだけが届くようになってきた。
ここのところ広大さんとはメールだけ。もう、しばらく会えていない。
心の距離まで広がっているみたい・・・

寂しさが込み上げてくる。
広大さんは私が思うほど、寂しくないのかも・・・
私ばかりが好きでいっぱいなのかな・・・
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