クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
弟の発言に、お母さんが背中を叩き、弟がむせて、「何すんだよ!」「あんたが余計なこと口出すからよ!」2人の掛け合いに、一気に場が和んだ。

「全く!ちょっとは父親らしく、カッコ付けたかったのに台無しだろ!」
お父さんまで、弟につっかかるのを見て、広大さんまで笑い出していた。
「碧さんが、こんなに素直に、素敵な女性になったのが分かりますね」
その言葉に、お父さんとお母さんは、2人顔を見合わせて笑っていた。

「時東さん、未熟な娘ですが、幸せにしてやってください」
お父さんが頭を下げると、
「もちろんです。私の全てを掛けて、幸せにします」
お父さんはその言葉を聞いて、目を潤ませていた。

「さぁ、おめでたいお話だし、お昼準備してるから食べましょ!」
「あっ、お母さん!広大さん、」
仕事が忙しいから、もう帰る事を伝えようとした時、広大さんに手を握られた。
「大丈夫だから」
そう言って、家族の話をにこにこしながら聞いていた。

弟は、「俺も税理士目指す!」広大さんのカッコ良さイコール、税理士になるって思ったらしい。
「あんた、どれだけ勉強するか知ってるの。試験合格するの、大変なんだよ」
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