悪役令嬢モノの悪役ヒロインに転生してしまった（嘘だと言って！）

衝撃の事実

「どうしたの？レティーシア様。」

「私のことはレティって呼んで。私はマリーって呼んでいい？」

「ええ。それで、どうしたの？」

「"みなティー"を知っているなら、『にゃんねこ先生』って知ってるよね？」

「知ってる！この世界を作った製作者さん！その人、実は私の夫なんだ。」

「えぇ！？あ、あのひと、そんなこといってた…」

「ん？あの人って誰？」

「いや、なんにも。こっちの話。実は、その人、"みなティー"をもとにした悪役令嬢モノの小説も書いているんだよね…」

「そうなの！？知らなかった。私が死んだあとにできたのかな？ってことは、もしかして…」

「そう、この世界は、"脱・悪役令嬢物語"の世界で、私はあなたを邪魔する悪役ヒロイン、あなたはそれの主人公みたい…」

「そんなことってあるのね…」

　"脱・悪役令嬢物語"、通称"脱モノ"。

　 ある日、"みなティー"の世界に転生したと気づいたマリアこと雨宮空、30歳、OL。

　悪役令嬢の彼女は、ラベンダーのロングヘアーをハーフアップにまとめ、髪の毛と同じ色の瞳、そしてエメラルド色ででマーメイドラインのドレスを身にまとった、長身の美少女である。
　
　交通事故でなくなって転生した彼女は、悪役令嬢にならないように、ヒロインを虐めたり攻略対象対象と関わらわないようにしようと決意した。

　しかし、そんな彼女を待ち受けていたのは、何故か悪役と化したヒロインと、第ニ王子に転生していたとある人で…
　
　そして、ストーリーが進んでいくうちに第ニ王子と中を深めて聖女となった彼女は、彼と一緒に悪役ヒロインを断罪して彼女と和解する。

　そして第ニ王子、ヒロイン、そして"みなティー"で魔王討伐を果たした仲間たちと魔王討伐に向かい、見事魔王と和解した彼女たち。

　ちなみに、第三王子は作品の長さの都合上、存在が消されている。ばいばい、第三王子…

　まぁ、彼は"みなティー"ではそこまでプレイヤーから好かれてなかったし、他のキャラと少しキャラ被りしてたから仕方ないか。

　魔王と別れ無事王都に戻ったマリアと第ニ王子は結ばれ、ヒロインは魔王討伐に参加したことで今までの罪が許され、ハッピーエンドを迎えるのだ。

「そういう話があったのね…。」

　"脱モノ"の説明を聞き終えたマリーは、納得したような表情を浮かべる。
　
　私は前世、悪役令嬢が活躍する小説や漫画や小説が大好きだった。
　
　そこで、友達に"脱・悪役令嬢物語"を進められ、それを読んで、"みなティー"のストーリーも知っていたのだ。

　恋愛あり、魔法チートもありのそのストーリーは私の好みに合い、愛読書になっていた。