悪役令嬢モノの悪役ヒロインに転生してしまった(嘘だと言って!)
「あー言えばこう言うわね!きっと魔力検定でもズルを…」

「そんなわけないじゃない。そんなこと、できると思ってるの?不可能よ。第一、その場には国王様もいたのよ?そんな事もしやる人がいるなら、逆に尊敬するわ、恐れ知らずなバカなやつって。」

 ぐっと言葉に詰まるオリビア。

「それに、テストのことで言うなら、あなた、私より成績が低くて、特進クラスに入れたのもギリギリだったんだそうじゃない。そんなんでよく人の事が言えるわね?」

「うるさい!!!」

 オリビアが叫び、何かを口の中で詠唱する。すると、大きな火の玉が現れ、私の方に飛んでくる。

 私は火の玉の方に右手をかざし、力を込めた。
 
 すると、オリビアが出した火の玉よりも一回りほど大きい水の玉が現れる。

 火の玉にぶつかったかと思うと、それを消し、勢いはそのまま、オリビアの方へ。すると…

 バシャン!!

 あ~ら不思議、オリビアさんがびしょぬれになりましたとさ!

「な、なにをするのよ?!新品のドレスがびしょぬれになったじゃない?!」

「何をおっしゃるのですか?最初に攻撃を仕掛けてきたのはあなたでしょう。」

「なっ!」

「でも、良かったですわね。私が同じ炎の魔法を使っていたり、魔法をそのまま跳ね返す魔法を使っていたら、きっと丸焦げになっていたでしょうねぇ?」

「クッ…」

 オリビアがまた懲りずに魔法を発動しようと構えたとき。

「はぁい、そこまで〜!」

 と、この状況には似合わない呑気な声が聞こえてきた。
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