悪役令嬢モノの悪役ヒロインに転生してしまった(嘘だと言って!)
「レティーシアさん、どうしたの?」

 いけない、先生のストーリーについて考えていてぼーっとしてた。でも、それを正直に言うわけにはいかない。

「あっ、いいえ、何もありませんわ。少し、先生の瞳に見惚れていただけです。」

「…へぇ?」

 あれ、先生の雰囲気が怖くなった?声も低くなってる。

【それ先生にとって禁句!!】

 不安になって、先生を呼んできてくれたらしいマリーの方を見ると、小声で教えてくれた。

 やっば!とりあえず、なにか言い訳を!

「私、宝石がとても好きなんです!宝石も好きだけれど、そこら辺に落ちているなんともないけれどきれいな石とかもよく拾ってて!って、これは淑女には相応しくないかもしれませんわね…」

 なんか、言い訳するのに別の墓穴を掘ったかもしれない。実際に前世でも今世でもきれいだと思った石を集めているので、あながち嘘も言っていないが。

「はぁ、そういうことだったんですねぇ〜。いえ、レティーシアさんの趣味を否定するつもりはありませんよ〜。僕も、石を集めることは好きですからね〜。それより、お怪我はありませんでしたか?」

 良かった、雰囲気が元に戻った。

「はい!なんとか防げたので、無事でした!」
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