悪役令嬢モノの悪役ヒロインに転生してしまった(嘘だと言って!)

幼馴染、それから自分のこと

 こーくん、本名雨宮光輝。
私の幼馴染で、まー兄とはなんと13歳差の兄弟。

 ちなみにだけどまー兄と空は同い年で、私が17だったときはふたりとも30歳。…あれ?もしかして空の事さん付けしたほうがいい?今度聞いてみよ。

 話が脱線しました、修正修正。 こーくんとは、親同士が仲良しだったため生まれたときからの付き合い。

 幼稚園、小学生、中学生…とずっと一緒にいて、気づいたら好きになっていた。でも向こうはそうとは限らないよね、とか、嫌われたらやだな、とか、近くに居られたらそれでいい、と思い、告白はしなかった。

 しかし、そんなふうに構えていられるのも中学生までだった。

 こーくんは高校生になると、校則が緩かったため、髪を染めたり、ピアスをつけたりと、おしゃれをしだした。

 おしゃれなどをしていなかった中学生でもモテていたこーくん。当然、告白される回数が増えてしまった。

 するとどうしてか、こーくんから避けられるようになってしまった。

(こーくんは私の幼馴染なのに)

 他の女の人と一緒にいるたびにそう思い、勝手に嫉妬していた。そして避けられているのを思い出しては、泣きたいほど悲しくなった。(ていうか泣いた) 

 それから、それから…どうなったっけ?

 話さなくなっって、悲しくなって。時々こーくんからなにか話したげな視線を向けられ、でもそのときに他の女の子に話しかけられて邪魔されて。

 それから、どうなった?どうして私は死んじゃった?

 自殺しちゃった?事故?思い出せない。

 …まぁ、いっか。まー兄がいったように、死んだときのことを思い出したって、いいことはないだろうし。

 そう思い直し、考えるのをやめた。
< 41 / 47 >

この作品をシェア

pagetop