悪役令嬢モノの悪役ヒロインに転生してしまった(嘘だと言って!)
「し、しょうがないだろ!?会いたかったんだから、ずっと…」

「なこと言って、こっそり何回ものぞき見してたこと知ってるけど?ほら、マリーも誰かに見られてる気がするって言ってたよね?」

 そう雅人をからかおうとマリーに話を振ってみると、なぜか呆然としたように固まっている。

「マリー?」

「えっ…そうね、確かに誰かに見られているような気はしたけれど…まさか、殿下が?」

「あっあぁ、未来の王妃候補の二人だからね。」

「そ、そうなんですね。」

「殿下ぁ?やっていいことと悪いことがあるんじゃぁないですかねぇ?マリーさん、時々怖がって相談してきてましたけどねぇ。まぁ、いつも頼れるお姉さん的存在のマリーから頼られたのは、とても嬉しかったですけど?」

 そうからかい気味に怒ってみると、照れて焦っていると同時になんだか羨ましそうにしている顔を拝めたのでOKとします!

 そう、久しぶりに気安く軽口を叩けて満足気味だったので。

「ん?マリア嬢?どうかしたか?」

 そうクロードが声を発するまで、周りの様子、そして親友の地雷を踏んだことに気付くことができなかった…
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