ラブ・ジェネレーション
10.大団円
「へー、結衣のお母さんも同じペンダントを持っていたんだ」
「うん、私はお父さんに聞いてたから知ってたんだ、開け方もその時に教えてもらった」
私がお父さんから渡されたペンダントは、優衣さんから貰ったものだ、当然優衣さんの写真が入っていた、
ペンダントをもらった時、お父さんは私に重要な任務を与えた。
『お母さんもお父さんにくれるつもりで同じペンダントを二つ持ってるんだ』
『お母さんも? どうしてお父さんにあげないの?』
『どうもお父さんが同じペンダントを持っている事を知っているみたいなんだ、だから結衣にひとつ頼みがある』
最初はお父さんの言っている意味がよくわからなかった、
お父さんが亡くなって三年後の小学校四年生の時、私はお母さんが持っていた同じペンダントを偶然鏡台の中で見つけた、中には違う女性の写真が入っていた、それがお母さんだってことは直ぐに分かった。
じゃあ私のペンダントの写真は誰だろう、疑問に思いつつもお父さんの言う通りお母さんのペンダントをこっそり持ち去った。
もしお母さんに見せなきゃいけない時はこのペンダントが必要になる、
それがお父さんから与えられた任務だったからだ、
それから私は二つのペンダントを持ち歩くようになった、お母さんのペンダントは懐中時計みたいにバッグに、優衣さんのペンダントは首にかけて。
少し面倒だったけれど、私もお父さんがくれた形見のペンダントは肌身離さず身につけていたかった。
今考えれば優衣さんのペンダントは必要だったのだろうか、ひょっとしてしたらお父さんは私が優衣さんと出会う事を願っていたのかも知れない。