ラブ・ジェネレーション
「じゃあ、うちの母さんに見せる時は首にかけたペンダントで、結衣のお母さんの時はバッグの中のってこと」
「そう、私演技が下手だから知らないフリをするのが大変だったんだよ」
あの時ほど優衣さんのペンダントを持っていて良かっと思った事はなかった。
「上手だったよ、俺には全くわからなかった」
「ねえ、翔琉は昔から私を知っていたの?」
「母さんに聞いたの? 女は本当におしゃべりだなー」
「一目惚れじゃなかったんだ」
「一目惚れは嘘じゃないよ、ただ高校に入った時じゃない、小学生の時に俺は結衣に一目惚れしたんだ、
小学校四年生の時、姉貴のダンスの発表会について行ったんだ、結衣に花をあげただろ」
「らしいね、私は忘れてたよ、お義母さんに聞いて思い出したの」
ダンス発表会の後、一輪の百合の花を恥ずかしそうに私にくれた男の子、あれは翔琉だった。
上手くできなくて落ち込んでいた私に、
『大丈夫、ちゃんと踊れてるよ、自信をもって』そう励ましてくれた、
知らなかったのは私だけだ、
「翔琉は中学生の時、親戚のふりして私の事を聞いていたでしょ」
「……な、なんで知ってる!」
やっぱり翔琉だった、、
「翔琉の事ならなんでも知ってる、はははっ、翔琉の真似、似てるでしょ?」
「………全然似てない」
「代わりにキスしていい? これは?」
「ばーか、一回だけね」
「………お前が真似するな!」