ラブ・ジェネレーション
……徐々に昂った感情が鎮まりゆくと、
それをキッカケに思い出される懐かしい高校時代。
翔琉は、私には勿体ないほど格好良くて優しい彼だった、
わかってる、
こんな私を、高校の三年間ずっと好きで居てくれた、
あんなにモテたのに、平凡でなんの取り柄もない私を片時も離さずに愛してくれた。
『結衣の事なら何でも知ってる』
よく言ってたね、私の事をほんとに何でも知ってた、
あーーーもう、思い出しちゃったっ!
気がつけば車のエンジンをかけて、ルート19へと向かっていた、
世間様は丑三つ時、静まり返った住宅街はすれ違う車もまったくない、
もしパトカーにでも出会したら、不審者扱いで職務質問でもされそうだ。
どこで飲んだらあそこに辿り着くのだろう、
たしかに国道沿いだけど、そんな遅くまで営業している店は中華料理店ぐらいで他には何もない。
だいたい二十歳を過ぎたばかりの大学生がそこまで飲むか!
深夜の国道沿いのドライブインの駐車場は大型トラックばかりだった、
愛車のラパンちゃんを堂々とトラックの駐車区画のど真ん中に停めて、
うーん、ひと区画に8台は停められるかなー、と愛車の可愛いサイズに関心してしまう。
お利口で待っててね、直ぐに帰るから、そう声をかけて店の入り口のドアを開けた。