ラブ・ジェネレーション

ギターの音に怒ったってことは、、
「ギターに何かあったんですか?」

「結衣ちゃんのお父さんに貰ったギターだったの、どうも主人はそれを知ってたみたい」

「どうして、、それでも子供に罪はないです、遊んでいただけなのに、自分の子供じゃないですか、、」

「翔琉の名前も主人は気に入らなかったから……」

えっ、じゃあやっぱり、

「ご主人は私のお父さんのことを知っていたんですか?」

小さく頷くと優衣さんはご主人との馴れ初めを語り始めた。

「主人と私は幼馴染なの、幼稚園から中学まで一緒だった、その間2回告白されたかな、それでも付き合うことはなかった、悪い子じゃないとは思ったけど真面目すぎて退屈な感じ、ほらクラスに1人はいたでしょ、勉強ばっかで皆んなの会話にも入れない子」

「わかります、とっつきにくい感じがして話しかけるにも躊躇う子ですよね」

「うん、主人もそんな1人だったの、秀才だったから主人は進学校へ私は結衣ちゃんや翔琉と同じ高校、
それで高橋くんと出会って付き合ってたんだけど、前に話した通り高校を卒業した時に高橋くんとは別れた、
その後ね、偶然近所の氏神様お祭りで再会したの、それから暫くして3回目の告白、しかもそれがいきなりのプロポーズ、結衣ちゃんどう思う?」

「久しぶりに会ったんですよね、互いにどう変わってるのかもわからずにプロポーズですか?」

「私もそれを聞いた時は思わず笑っちゃった、その時は、、私はまだ結衣ちゃんのお父さんを待ち続けていた時だった、
だからね、主人には正直に話したの、思い人がいるからお断りしますって。それでも待ってるからって友達として交際は続いていた」

そうか、その後お父さんとは結ばれず、お義母さんはご主人のプロポーズを受け入れた、
「どうも、その間に結衣ちゃんのお父さんの事を調べていたみたい、私がそれに気づいたのはずっと後」

ギターも翔琉の名前もご主人が知らないと思って安易に選択したのだろう。

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