ラブ・ジェネレーション
「“姉ちゃんお花一本ちょうだい”って、桃香が貰った花束から翔琉は百合の花を一本抜いて、結衣ちゃんに渡しに行ったんだよ、イベントクラスの人は皆んな友達や彼氏から花束を貰っていたでしょ、翔琉も結衣ちゃんを励ますつもりであげたかったみたい」
「翔琉くんはそんな話は一度もしてくれませんでした、初めて聞きました」
「恥ずかしいんだよ、一目惚れだったからね、それから翔琉は桃香に結衣ちゃんのこと根掘り葉掘り聞いたみたい」
「そんな昔の事を、、でも高校が同じじゃなかったら二度と出会わなかったって事ですよね」
「そうだね、そこまでは私も知らないけど、結衣ちゃんに出会ってから翔琉は変わった、友達も増えて活発な男の子になったの、ずっと恋してるって感じかな」
その話を聞いて一つ思い出したことがあった、中学三年生の夏休み明け、同級生の女の子が奇妙な話を私にしてくれた、
『結衣は、隣の中学校に親戚の子でもいるの?』
『いないよー、なんで?』
『やっぱり、怪しいと思った、結衣の事聞きまわっている男の子がいるみたいだよ』
私の事を? なんのために、、
『案外、結衣のこと好きかもね』
『ないない、誰がこんな童顔を好きになるの?』
『分からないでしょ、いろんな趣味の人がいるから』
なんだって、もう少し違う言い方無いんですか!
まさか、私の事を聞きまわっていた男の子って、、翔琉だった?