ラブ・ジェネレーション
(ほう、なんで諦めちゃったんですかー)
(地元へ帰る半年前に、彼が一度だけ彼女に送ったデモテープ、いい曲ができたから感想を聞かせて欲しいと送ったわけですが……)
(ま、まさか……この曲を?)
(そのまさかです、彼女をイメージして作った曲です、自分の事だと思ってこの歌詞の通り彼女は受け取ってしまった)
(えー、切ないじゃないですかー、彼女は自分への別れの言葉として受け取ってしまったんですね)
(彼が後で同級生に聞いた話では、その時彼女にはプロポーズをしてくれていた男が居て返事に迷っていた、そのタイミングで送られてきたデモテープ、もう彼のことは諦めよう、そう彼女を決意させてしまった)
(あーーーダメです、そんな話に僕は弱いんです、ちょっとしたすれ違いじゃないですか! だ、誰か彼女に教えてあげられなかったんですかー)
(残念ながら時すでに遅しだったんですよ)
止めた車の中で、二人黙り込んでラジオの会話に耳を傾けていた、、
やりきれない切なすぎる結末、
(そっか残念だなー、歌詞には出てこないけど曲のタイトルのペンダントはどこから?)
(それはですね、上京する時に彼女がくれたらしんです、どうもペアのペンダントだったらしく彼は肌身離さず身につけていました)
(離れていてもペンダントで繋がっていた訳だ、それも切ないですねー)
(ロケットになっていて、中には彼女の写真が入っていました、一度だけ見せてくれた、制服姿の可愛い女の子の写真でした)
「結衣……」
「お父さんだよ、間違いない……」
「やっぱり、そのペンダントには二人の想いが詰まっていた」
「……そうかもね」