ラブ・ジェネレーション

「ねぇ翔琉、私は変われた? 翔琉に似合う女になれたと思う?」

「結衣は綺麗になったよ、幼さが抜けて大人の女性に、その成長を俺は間近で見ることができたんだ、こんな幸せなことはない」

高校生カップルがそのまま結ばれる確率は少ない、思春期の恋愛は熱し易く冷め易いし、同級生の場合女の子が強くなってしまうことが多いからか同級生の彼氏では物足りないと感じる子が多い。
私の場合はどうだろう、、やはり同じ気がする、
でも翔琉にはそんな私を包み込んでくれる包容力がある、安心して身を任せられる。

「こんな私に、翔琉はよく我慢してこれたね」

「我慢なんてしてないよ、ずっと結衣の背中を追いかけていたんだ。手が届きそうで届かなかった、あともう一歩ってね、今やっと俺は結衣の背中に触れている、何度も諦めかけたんだ、病気になった時も結衣に好きな奴が出来た時も、、」

嘘だってバレてたじゃない、

「最初からアメリカ行きは手を上げなかったんでしょ、、もし本当に翔琉より好きな人がいたらどうしたの?」


「母さんが言ってただろう、どんなに無様でも構わない、俺は結衣に縋り付いてでも離れなかった」

そうだったね、相手を思っての別れなど自分を褒めてやる事も出来ない、後で後悔するに決まっている。

翔琉のためを思ってついた嘘は、結局は翔琉のためにも自分のためにもならなかった、本当に好きなら繋いだ手を離しちゃいけない、お義母さんもそう言っていた。


「翔琉、、あ……」
振り返って翔琉の胸に顔を埋めた、

「あ? あってなに?」

初めて言うの! 照れくさいでしょ!



「あ、愛してる!」

ぎゅーって、しがみついた私の手よりも何倍も力強い腕が私の身体を抱きしめた。

< 86 / 106 >

この作品をシェア

pagetop